人生のカンニングペーパー（再送）
学生時代、テストの時「教科書のあの場所に答えが載っていたのに」と
勉強不足を後悔したことはないだろうか？
人に教えてもらえない出来事にも、学んだ記憶の中に人生に「正解」があるとしたら？
先駆者としての人生のカンニングペーパーがあるとしたらどうだろう？
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今、私は、難病ＩＴＰ（特発性血小板減少性紫斑病（指定難病６３））である。
原因も治療法もわかっていない。小児科・内科の先生の機転で大学病院に紹介状を書いて下さり
大学病院で検査の結果、血小板が４０００しかなかった。
子供に多い病気で「こけると血が止まらなくなる病気」と言えば想像しやすいだろうか？
血小板が10000以下だと、内出血でも身体の中で血が止まらなくて死に至る病気である。
血小板を増やすためのステロイドの増やすためのステロイドは副作用も多く、
顔にむくみが出て子供の場合「いじめ」にあう場合もすくなくないらしい。
難病の本人も家族も大変である。
そして、原因も治療法もない病気は医療関係の方にも道しるべはない。
でも、自分の身体を使い病気を治す実験が出来る貴重な体験ができ、
それを病気で戦う 人たちへの「カンニングペーパー」となれたら、
恵まれた経験ではないだろうか？
私は血液内科に入院中、甘いものを食べれば血小板の数値が上がると思いこみ、
夜中にお菓子を食べていて見つかって大笑いされた。
でも、思い込みでも血小板は増えて行った。
今はステロイドを服用していない。ただし、血糖値が上がった。笑
この話にはドラマのような続きがあって、
何年か後のお正月、新婚の娘夫婦と息子と私たち夫婦で私の実家（母と妹と）で過ごした時に、
娘はとても元気そうだった。
次の日、足に湿疹が出た娘は「なんか母ちゃんぽい」と言うので、
私のかかりつけの血液内科に連絡して調べてもらったら
血小板は２０００しかなく2日後に生理があったら死んでいた。
感染も遺伝もないＩＴＰで親子でなるなんて世界でも例をみないらしい。
「母ちゃんぽい」が正解！ そのうえ、娘は去年子供を出産した。
6月で1歳になった元気な孫だ。
病気でも自分の人生後悔のない道を。
ＩＴＰの場合、妊娠・出産は命がけで、妊娠中は血小板が下がると母体優先である。
普通は「普通の子が出来るのか？」と不安で子供をあきらめる人がほとんどである。
輸血をしながらの帝王切開を考えての大学病院だったが、奇跡的に普通分娩だった。
私の闘病生活を見ていた娘は難病を「母ちゃんぽい」ととらえた。
私の病気が娘の人生の「カンニングペーパー」になったとしたら、私は「語り部」になりたい。
勉強は、困難を乗り越えるための頭に記憶する「カンニングペーパー」作りの助けになると思う。
間違った情報をはねのけ、正解を自分で導き出せるように訓練が必要だ。
高齢になられた戦争体験を語る「語り部」の存在を貴重な存在だと思う。
映画や本・ＴＶのドラマ・絵・音楽・病気の体験談を通じて、
自分に体験がなくても想像は訓練すれば出来るようになる。
昔、家族と一緒に見ていた大河ドラマ面白くなくても
私の「カンニングペーパー」作りの記憶の一部になっている。
中学の時から引きこもった妹は学歴社会のひずみにいまだに、私に スパム攻撃をしてくる。
でも、父は亡くなり、しつけと言う名の虐待の連鎖を、妹は高齢の母や病気の私に向けている。
私も息子に「殺してやろうと思いながら育った」と言ってもらえて、
虐待の連鎖を止める努力をした。
もし、あの時ああしてたらと後悔するよりも、今の自分が後悔することのないように生きていきたい。
